![]() 華やかな春の訪れ啓蟄。春分。麗らか寒さの中にも確実に「光の春」を感じるようになりました。 万物が成長する春を迎える三月と言えば、桃の節句・ひな祭りがあり、また、魚介類の食材でこの時期は二枚貝が最もおいしい旬を迎えます。 貝類ではひな祭りに欠かせない蛤をはじめ、鳥貝や赤貝も旬を迎えます。 また豌豆豆や空豆などの豆類も、この季節ならではの味のひとつでございます。 今月は、ひな祭りの華やかさとひと足早い春の華やかさを意識して、食材が持つ鮮やかな色彩や軽やかな食感を目でも舌でもご堪能いただけるよう、素材を活かしたお献立をご用意致しました。 一つ目は、先附の大ぶりな貝合わせの器に盛りつけたお雛寿司。 蓋を開けた瞬間、華やかな春の景色が広がります。 あえて酢を使わず爽やかな酸味のある梅肉を使ったご飯の上には、いくら、うに、あわびにキャビアなどを盛りつけ春の彩り玉手箱... 二つ目は、春らしいうっすらと淡いピンクがかった貫入の器に、人参、胡瓜、大根、南瓜、大葉、うるいなどの色とりどりの野菜と赤貝、平貝、北寄貝、ミル貝に帆立などの旬の貝類を使い、春霞に見立てた変わりお造りを... そして、これら「華やかさ」を一層際立たせるのが口直しの出合いもの「筍と若布の浸し」と「たらの芽と蕗の薹の揚げ物」でございます。 一見、「華やかさ」とは縁遠い地味なお料理でございますが、「酸味」と「苦み」、「冷たさ」と「温かさ」がお料理に強弱をつけてくれる一皿。 地味ですが、春の息吹と生命力を感じる「滋味」に溢れたお料理でございます。 |
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